![KOYO MARU No.88](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/009-DSCF1296(航空写真)-300x171.jpg)
KOYO MARU No.88
ヘリ搭載型の最新鋭漁船
第88光洋丸が Ship of the Year 2015
漁船・作業船部門で部門賞を受賞しました。
【Ship of the Year 2015】
シップ・オブ・ザ・イヤーは
毎年日本で建造された船舶の中から
技術的・芸術的・社会的に優れた船を
選考して与えられる賞。
今年で26回目、予備審査を経て
5月31日に都内で応募作品発表会と
選考会が開催され
2015年度の建造船の中から
優秀船が決まりました。
【第88光洋丸】
本船は、太平洋とインド洋でカツオ・マグロ
を捕り -40℃で凍結保蔵し日本に持ち帰る
大型の海外まき網漁船です。
全長は約80m、ジャンボジェットと呼ばれた
B-747の全長約75mより、ちょっと長い!
国際総噸数は約1,900トン
船の総重量は約2,300トン
メインエンジンはディーゼル4,000馬力ですが
800kWの電動機で電気推進もできます。
1,120kW×2基と800kW×1基、合計3基の
発電機を搭載しています。
![Koyo Maru no.88 Profile](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/Profile-of-KOYO-MARU-No.88-300x128.png)
KOYO MARU No.88 Profile
本船の基本設計を本格的に始めたのは
今から3年前の 2013年から
何度も何度も船主さんと打ち合わせを重ね
2014年6月に起工して、2015年3月に竣工
引き渡しを行いました。
難しい専門的なことは省きますが・・・
新聞報道によれば、今回受賞した理由として
最先端の船内パワーマネージメントシステム
最新の漁労システムと安全性、操業効率、
そして省エネを大幅に向上させた・・・
と報ぜられています。
(本船の基本設計者として・・・
とっても嬉しい評価を頂き 光栄です!)
海外まき網漁船は
カツオ・マグロを捕るために目視の他に
レーダーやソナーなどの電子機器を使って
魚群を見つけますが
本船は、それらに加え ヘリコプター を搭載し
広い範囲を上空から魚群探索をしたり、
魚群を追尾したり浮遊物の発見など
様々なシーンで漁労のアシストをしています。
その「搭載ヘリ」にスポットを当ててみます。
![KOYO MARU No.88 Heli-01](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/DSCN0457--300x225.jpg)
KOYO MARU No.88 Heli-01
搭載ヘリは「ヒューズ 500」型
Model:Hughes 500C
定員:5名、長さ:9.4 m、ローター直径:8.03 m、
高さ2.48 m、空重量:493 kg
最大離陸重量:1,157 kg 、
Powerplant: 1× One Allison 250-C20
Turboshaft, 278 hp (207 kW)
最大速力152 knots (175 mph, 282 km/h)
巡航速度:125 knots (mph, 232 km/h)
最大飛行距離:605 km、
最大到達高度:4,875m、Rate of climb:8.6 m/s
![KOYO MARU No.88 Heli-02](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/88Koyo-Heli-001-300x225.jpg)
KOYO MARU No.88 Heli-02
そもそも、小型の船舶に航空法や国内法を
満足する ヘリデッキの装備・認証は
不可能に近いです。
航空法では着艦(進入)から離艦(退出)まで
一方方向のルート内、垂直方向(高さ)30度
以内の範囲に障害物があってはならない・・・
(数値は記憶なので間違っているかも?)
航海灯やレーダーマストがある船舶では
これらをクリアーすることは極めて困難です。
そこで、航空法で言う正式なヘリポートは認証
されないので
ICAO(国際民間航空機関)の基準を準用し
ドクターヘリやサテライト病院などと同じ
「構築物上設置の場合」のカテゴリーを
流用しています。
船舶のほとんどは、レーダーマストなどの
本船の構造物を避けるために
進入ー退出方向を船首尾でなく、船幅方向で
確保しています。(最後に動画を載せます)
![KOYO MARU No.88 Heli-03](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/88Koyo-Heli-002-300x225.jpg)
KOYO MARU No.88 Heli-03
本邦200海里以内での飛行は禁止なので
日本に帰港中はメインローターを外して
機体下部のフロート間に格納しています。
![KOYO MARU No.88 Heli-04](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/DSCN0462-300x225.jpg)
KOYO MARU No.88 Heli-04
メンテナンスのために、メインローターを
装着し、後部エンジンカバーを外している
ところです。
![88Koyo Heli 003](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/88Koyo-Heli-003-300x168.jpg)
この機体はグアムのヘリ・リース会社から
パイロット1名、整備士1名と共に
チャーターしたものです。
![KOYO MARU No.88 & Heli](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/DSCN0469-300x225.jpg)
KOYO MARU No.88 & Heli
日本では荷揚げのために、静岡県焼津港
鹿児島県枕崎港または山川港に入港します。
![KOYO MARU No.88 Departure](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/DSCN0487-300x225.jpg)
KOYO MARU No.88 Departure
![KOYO MARU No.88 & Heli Bird eye 01](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/88Koyo-heli-01-300x168.jpg)
KOYO MARU No.88 & Heli Bird eye 01
洋上では本船と本船の搭載艇と連携して
魚群の発見や追尾に従事します。
![KOYO MARU No.88 & Heli Bird eye 02](http://www.cotatsu88.com/wp-content/uploads/2016/06/88Koyo-heli-02-300x168.jpg)
KOYO MARU No.88 & Heli Bird eye 02
最後に、ヘリの装備カメラで撮影した
着艦の様子を動画で見てください。